2012年6月29日金曜日

新しいプログラム


こんにちは。ラグビー部トレーナーの松本です。早いもので春シーズンも残り1試合を残すのみとなりました。今シーズンは手術を必要とする大きなケガもありましたが、全体としては顔面の骨折が多かったシーズンでした。顔の骨にはかなり薄い部分もあるので、頭部を強打すると簡単に折れてしまうことがあります。体のほかの部位についてはトレーニングをたくさんして体を強くすることで傷害を防ぐことはできるのですが、頭部については鍛えようがないのでなかなか対策をたてることができません。ラグビーは生身の体をぶつけ合うスポーツであり、頭部を強打する可能性も多くあります。
いい意味でとらえればそれだけ全員が体を張ってがんばっているということだと思います。顔の骨折は症状がすぐに出ず、判断が難しい場合もあるので、現場においては十分注意して対応していきたいと思います。

さて話は変わって、今年から立命館大学スポーツ健康科学部では「グローバル・アスレティックトレーナー・プログラム」という画期的なプログラムが始まろうとしています。
どんなプログラムかというと、簡単にいうと立命館大学に所属していながら、アメリカの大学のATCプログラムの授業をオンラインで受け、日本に居ながらATCの受験資格を得ることができる、つまり、ATCの資格を取得することができるというものです。専門の講義はアメリカの大学のものを受けるわけですから、もちろん英語です。現場実習については私たちATCのもとで活動をすることで得ることができる(予定)というものです。
現在アメリカでは大学生の現場実習の時間がすくなくなり、できることも限られてきているようです。私がアメリカに渡ってATCの勉強をしようと思ったのは、もちろんアメリカのほうが当時スポーツ医科学が進んでいたのいうのもありますが、現場実習がつめるということが1番の理由でした。が、時代も変わってきたようですね。
立命館大学のこのプログラムでは授業で習ったことを現場で実践する機会を多く与えることができるのではないかと思います。今のアメリカの現状を考えると、日本でATCの資格を取り、その後GAとしてアメリカの大学院に入り、さらに現場を学ぶというのも悪くないと思います。
学費も抑えらるというメリットもありますし。

まだまだ解決すべき問題はあるみたいですが、このプログラムが始まり、質の高いATCが育っていってくれるといいです。

さて、2週間後の7月15日に恒例のRitsumeikan Athletic 研究会を開催します。今回も興味深い内容の講演がありますので、お時間がありましたら是非参加してください。
お会いできるのを楽しみにしています。

2012年6月20日水曜日

春の大会⇒けがの話

各部の春のシーズンが終わりつつあります。
柔道部は今週末、
全日本学生優勝大会、前半戦のしめの大会です。

私の担当しているチームの結果

○女子柔道部
関西学生優勝大会3

○女子バスケットボール部
全関西女子学生バスケットボール選手権大会3
西日本学生バスケットボール選手権大会5

○女子フィールドホッケー部:
関西学生春季リーグ優勝
大学王座決定戦1回戦敗退

 厳しい現状が突きつけられた春の大会となりました。

この中で、今シーズン悩まされているのが、けがの現状です。

特にどのスポーツでも前十字靭帯の損傷が多くでました。
女子スポーツ選手にとって切っても切り離せない大きなけがです。
我々ストレングスコーチであれ、
アスレティックトレーナーであれ、
0に近づけるために最新の情報を得、
細心の注意を払い、
予防に取り組む必要があります。
トレーニングの目的のひとつは
けがの予防であることは間違いありません。

ただ、スポーツは常にけがというものと隣り合わせですから、
現時点で0にすることは不可能なのかなと思っています。

大事になってくるのは、けがをした後、
失敗した後にどう取り組むか。
いつまでもけがをしたことにウジウジし、
練習できないことに焦り・申し訳なさ…
などをもっていれば、負のスパイラルに陥るだけです。

これまで取り組めなかった自分の弱さの克服をする
神から与えられた試練であり、
チャンスなのだと思います。

けがをすることで自分の弱さを知り、
人の温かみを知り、
強靭な精神力をもって復帰すれば、
これまで以上の成果を得られることもあるでしょう。
すぐさま、成果として現れてなくとも、
社会に出た時に必ず役に立つことでしょう。

そこを陰でサポートすることがトレーナーの役割なのだと思います。
そのためにもしっかりとした知識をもち、
選手と向き合わなければなりません。

けがで辛い思いをし、
辛いだけで終わり、
そのスポーツを嫌になって終ってしまうような選手が一人でも減り、
スポーツの楽しさを感じてもらえるような取り組みを
いつまでもできるようにがんばりたいと思います。
これが私の仕事の最大の意義であることは
これまでもこれからも変わらないような気がします。

2012年6月11日月曜日

The Female Athlete Triad

まずはじめに、ストレングスコーチ陣のみなさま優秀トレーニング指導者賞の受賞おめでとうございます。このようなスタッフとともに仕事をさせていただけることを感謝しています。

さて、今回はFemale Athlete Triadをテーマにしたいと思います。
より多くの女性がスポーツに参加するようになることで、トレーニングによる身体能力の向上という効果とともに女性選手ならではの疾患も増加しました。
そして、1992年にAmerican College of Sport Medicine (ACSM)が 
1.  神経性食欲不振症
2. 運動性無月経
3. 骨粗鬆症
をFemale Athlete Triad (女性競技者三主徴症候群)として提唱しました。

私も学生時代にこのトピックを学んだのですが、2007年にこの見解が変更されていました。
そして、
1. エネルギーバランスの状態
2. 月経機能
3.   骨密度
以上の3つの相互関係を指すようになっています。

疾患というよりは女性競技者のコンディションの三つの要素ととらえるようになったのではないかと思います。
一つ一つが疾患のレベルまで陥っていなくても、相互に影響し合うことでコンディションが大きく変化していきます。

最近の調査からも女性選手の月経周期異常は増加傾向にあることがうかがえます。
中には大学の女子体操選手の月経周期異常は73%にも及んだ(瀬尾ら、2011)という報告もありました。

これはトレーニングの負荷だけでなく、ウェイトコントロールでエネルギーの摂取を控えている選手はリスクが高くなると思います。

そして、月経機能の低下は女性ホルモンが影響していますので長期に渡れば骨密度が低下していくことも予想できます。

疾患になってからの対処では遅いと思いますので、現場にいる私たちが正しい情報を提供して女子選手が健康に競技を続けられるようにサポートしていきたいと思います。

陰田 朋世



2012年6月6日水曜日

第9回 Ritsumeikan Athletick 研究会

お久しぶりです。牧野です!!
今回は第9回の研究会の案内をさせていただきます。

日程:7月15日(日) 13時-18時
場所:立命館大学琵琶湖草津キャンパス内 ラルカディア1階

スピーカー:
陰田 朋世 活動報告 立命館大学 女子陸上アスレティックトレーナー
藤田 まり子 龍谷大学アスレティックトレーナー
テーマー:機能的翼状肩甲を呈した症例とその検討(仮)
時間:30分+質疑応答
松生 香里 先生 立命館大学スオーツ健康科学部
テーマー:スポーツ選手のコンディショニング指標としての免疫:                          女子長距離選手のケーススタディから
時間:60分+質疑応答

中村(学生):活動報告
RAM:決意表明

費用は無料ですので、もし興味のある方は下記まで連絡ください。
ritsumeikan.ar@gmail.com

牧野慎二

2012年6月1日金曜日

始まりと終わり。

アスレティック・トレーナーの東です。

湯浅さんに先を越されてしまいました(笑)。
順番的には私が湯浅さんの先に書く予定になっていたのですが、サボってました。
皆さんすいません。

昨年のこの時期にも似たような内容でブログを書いたのですが、
教え子でなないですが、、去年の夏、短い間だけ知り合いになった、オレゴン州立大学の学生トレーナーが認定試験に受かり、無事にATCとしてのスタートラインに立ちました。
やっぱり知り合いが試験に受かりATCになると、なぜか嬉しいです。
これから彼女はいろんなことをいっぱい経験して、ATCとして成長していくのでしょう。
頑張ってほしいですね。

その一方、私のPNFの師匠であり、サンディエゴ州立大学の教授であった、ボブ・ムーアATC/PTが先日亡くなりました。
この20年間、日本人ATCが日本国内に少なく、CEUセミナーも今ほどなかった時代から、毎年兵庫医大の辻田先生と供に、日本在住のATCのために5日間にも及ぶPNFのセミナーを開催し続けてくれました。そして大学においては数多い日本人ATCを育ててくれました。(私の弟子の一人も、彼に教えを受けるためにサンディエゴ州立大学に留学しました。)
本当に偉大な大先輩を亡くしました。


しかし、我々は、彼のような偉大な大先輩の意思を引き継ぎ、アスレティックトレーニングを発展させていかなければなりません。NATAはまだ60年そこそこの歴史しかありません。まだまだ発展途上の団体であり、職業です。

ボブのような大先輩の思いを途切れさせぬよう、私は頑張りますので、
次の世代の方々も、先輩方の意思を引き継げるように頑張ってくださいね。