2011年12月6日火曜日

皮膚

こんにちは。ラグビー部トレーナーの松本です。早いもので今年も残すところあと1ヶ月になりまた。今年も1年あっという間でした。やはり1日1日、1秒1秒を大切にしていかないといけないなといつもこの時期になると考えさせられます。

さて、今日は最近僕が読んだ本を紹介したいと思います。皮膚に関するものなのですが、皮膚というのは奥が深い。にもかかわらず、あまり研究がなされてこなかった分野ですが、これからきっと研究が進んでいくだろう分野だと思っています。実際僕らトレーナーも皮膚の外傷はもちろん、処置やケアをするときにかならず触れるのが皮膚です。実際に本の中にも書いてあるのですが、皮膚、なかでも表皮はいろいろな刺激を感じ取ることができるそうです。僕の今まで教わってきた知識からすれば、真皮にある抹消神経が外からの刺激を感受し脳へ信号を送るというものですが、実際は皮膚自体が下界からのいろいろな刺激を感じることができるそうです。表皮と神経は同じ外胚葉から分化する組織です。そして表皮は下界と体の境界にある組織です。そういった刺激を感じる機能があっても不思議ではないし、考えてみれば当たり前かなとも思うのですが、こういうことを科学的・生物学的に説明をされるとかなり納得できます。

皮膚の生理学的特性を理解し利用することで、さらに効果的な治療やトレーニングができるはずだし、逆に今まで効果のあった治療法の科学的根拠が見つかるとも思っています。
この分野のさらなる進歩を期待しています。

また、もう一つの本では、創傷治療の問題点から始まり、医学会のパラダイムについても面白い話が書かれています。実は今現在行っている医療行為には科学的な根拠のないものが多く存在し、その最たるものがきずの治療であり、消毒という行為なのであると書かれています。ここだけを読むと懐疑的に聞こえますが、実際にこの本を読むと納得できると思います。
本の中でも書かれているのですが、僕らはいままで傷を消毒するように教わってきました。そうしないと感染し化膿すると。しかし、例えば、切れ痔などは肛門が傷ついて出血も起こっているのに、消毒しなくても感染もしなければ化膿もしない(実際に肛門の手術をしても術後の消毒はしないそうです)。あれだけ細菌がある場所なのに、なぜなのか。つまりは傷は消毒しなくても感染することはないということを科学的根拠を示して説明しています。

ぼくらが普段なにげなく行っている行為にも実はそういうものたくさんあるのではないかと思います。やはり大切なことはなぜそれをするのか、これが本当に最善の方法なのかを常に考えることだと思います。医学にしろ科学にしろ日々進歩しています。今日正しかったことが、明日間違っていることもあるはずです。
そういうことを考えさせられる本なので、是非一度読んでみてください。

賢い皮膚:傳田 光洋 ちくま新書
傷はぜったい消毒するな:夏井 睦 光文社新書


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